2023-01-21から1日間の記事一覧

Mrs Reikoの長編小説  戦争花嫁              

アメリカ上陸 1 横浜で乗り込んだ、ペンキの匂いが強い灰色の軍用船で、瑤子とエミイは日本女性と小さな女の子の相部屋に入れられた。 三才ほどの愛らしい女の子は黒人との混血で、母親は上品な京言葉を話す三十才近い、たおやかな美人であった。 「この子…

Mrs Reikoの長編小説  戦争花嫁              

青春 13 出立の朝、伯母や近所のおばさんたちが集まって見送ってくれた。 母はヨチヨチ歩きのエミィのために涙をこぼした。 利発なエミィは誕生日前から、「オバアチャンはどこ?」と聞くと、母の方を指差すようになっていた。 東京に着き、アンディがとって…