2021-01-01から1年間の記事一覧

シジュウカラ営巣

シジュウカラがよりにもよってこんな所に巣を作りました。 松の木のてっぺんに洒落た巣箱を取り付けたのに、そこは気に入らなかったようで、 玄関前のヤマボウシの木にかけて置いた瓢箪に住みついてしまったのです。 屋根もないのに、雨が降ったらどうしよう…

無知の告白

久し振りに海を見に行ってきました。 青い海と荒々しく押し寄せては砕け散る波を見ている間はコロナの心配は消えていました。 ふと、胸によぎったのは、波って何だろう、という疑問でした。 海に波のあるのは当たり前の事、と思ってたけど、どうして波が起こ…

タヌキ

川の護岸工事で木が伐採され叢が無くなり、動物たちの住処が失われたようです。 庭に小動物が訪れるようになりました。 最近見たのは、兎(これは雪の上の足跡のみ)キジのつがい、イタチ、今日はタヌキがやってきました。 どこかを怪我しているのか、病気な…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

28 両親の家に立ち寄ると、いつになく早く帰宅したキクが、アメリカのチームが優勝し、日本のチームは銅メダルも取れなかったと、疲れた表情で報告した。 日本チームは、閉会式にも出ないで帰国するそうだと、続けて言ったキクは、 「そうそう」と、思い出し…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

27 その日はアメリカのチームが勝ち、町中歓喜に沸き上がった。 暑さでゲンナリしたキクが夕方遅く帰宅した。 気温は華氏の96度まで上がり、不快指数は110度であった。 暑さばかりでなく日本チームの負けた事がキクの心を沈ませているようであった。 あ…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

26 「選手たちは君と仲が良いのかい?」 キクは通常愚痴を言う女ではなかったが、それでも時々選手たちの傲慢さをこぼしていた。 「彼女たちは自分をなんだと思っているのかしら、彼女たちの礼儀の無さときたら」 疲れた顔で誰にともなく話していた。 「表面…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

25 「今日は日本のチームが勝つと良いね」 トラクターの轟音の中、彼が叫んだ。 「そうね。彼女らは今日強いチームと勝負するのよ、アメリカンと。」 「ああ、それなら負ける方がいい」 「勿論そうでしょうよ」彼女が笑った。 「でも、私はどっちでもいいの…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

24 二日後の朝早く、泥だらけの長靴を履いた由美子がピクニックのバスケットを下げて現れた。 豚の餌袋をトラクターに積んでいたエーモスは、膝上までくる長靴を履いた彼女が、大きな足で歩く操り人形のように見え、笑い出した。 彼女も笑って、「スニーカー…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

23 ホワイト。タワーは農夫やセールスマンで混んでいた。 「あら、トーマス、お友達は誰?」 顔見知りのウエイトレスが、由美子を頭のてっぺんから足の先まで見ながら聞いた。 「ママの友達だ」 そして、由美子になにが欲しいかも聞かず、いつものハンバーガ…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

22 トーマスはホースをホールダーに架け、広場に向かって坂道を上り始めた。 「ランチは食べたの? もしまだなら、なにかスーパーや牛乳屋から貰ってきたものがあるよ。 知ってるだろ、ガーべジ(ごみ)、」彼は笑って聞いた。 「ノー、あなた、私と一緒にホワ…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

21 アトランタの、オリンピック開会式は、多彩な催しごとと共に盛大に行われた。その日の爆弾騒ぎを数日後に聞いたトーマスがそれを憂うには、忙し過ぎ、疲れ過ぎていた。 非情なまでに照りつける太陽のため、粘土質の農道は古いチョコレート・ケーキのよう…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

20 時はすでに7月始め、容赦なく照りつける太陽の下、アメリカ南部のジョージア州は焦げ付きそうに暑かった。 用意万端のオリンピック宿舎は、次々と選手で満たされた。 アトランタでの開会式は、7月19日に予定され、ソフトボールの第1回戦は7月21日…

人生訓その2

閑話休題「人生訓」

かかりつけの医院の待合室に貼られていました。 近在の古刹の住職から頂いたものだそうです。 全くその通り、と自分も含めてあの人、この人、と思い当たることばかりです。 地球規模での自然破壊が身近な所でも起きています。 これからの時代、豊かな未来が…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

19 スーパーの倉庫でデーヴィドとサイモンが、時々葡萄を口に放り込みながら、包みから取り出した野菜を、ドラム缶に投げ入れていた。 スーパーが期限切れで払い下げる野菜は、時々まだ食べられる良い物がある。 トーマスはよく、卵、メロン、芋などをケース…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

18 翌日トーマスは由美子を両親の家に見て驚いた。 彼は‘A&Pスーパーに残り物の野菜を貰い受けに行く途中、夕食を食べるため、一時立ち止まっただけで、晩餐のことをすっかり忘れていた。 「全く、この山男ときたら、、、」彼の汚いシャツとズボンを見て…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

⒘ 猟犬のハンクが主人のトラックを聞きつけて吠え始めた。 偉大なブルーテイック・ ハウンドは、いつも一番先にヘンリィのトラックを聞き分ける。 低く響き渡るその鳴き声は、春時の穏やかな空気を震わせた。 「もしよかったら見て歩いたら? 俺は行かなきゃ…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

16 トーマスは、歩いて来るホッソリした姿が、事故の女だと解った。 彼女の腕は明るい赤い布で吊られていたが、歩き方はしっかりしていた。 由美子はあたりの景色をうっとりと眺め、何もかもに深い興味を覚えるようであった。 ジーンズにゆったりした白いテ…

閑話休題「野生動物」

幹線道路から300m程横道に入ると、もうそこは人家はなく、畑作地帯です。 知人の畑に置いてもらっている、夫がペットのように可愛がってる蜜蜂がそこで越冬しています。 太平洋側のこの地は冬でも滅多に雪が降る事はないのに、今年は連日雪が降り積もり…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

15 二時のミーテイングに行かなければならぬので、もっと欲しかったら、自分で取りに行けと、キクはシチューの皿を彼に渡しながら言った、 「また、オリンピックか」 彼が唸った。 「そう、オリンピックよ。ああそうだ、あの女の人の名前は山口由美子といって…

閑話休題「弱肉強食」

散歩中に、このような光景を度々見かけるようになりました。 全てが雪に覆われ、一面銀世界になってからは頻繁に見られるようになりました。 動物に鳥が襲われたのは解りますが、どういう状況なのか理解できませんでした。 今日、判明しました。 庭の餌台に…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

14 どうしてギャルビイが農場にいたことが解ったか、トーマスは知りたかったが、へンリイの不機嫌を承知の彼は、聞くのを憚った。 彼らは40マイルの道を沈黙のうちに家に帰った。 キクは彼らを見ると、家から走り出てきた。 彼女はトーマスに肩を貸して、椅…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

⒔ トーマスは2日間留置場に入っていた。 彼の足首はまだズキズキ痛み、その上、留置場で眠れなかった彼は酷く疲れていた。 牢仲間の4人は黒人で、事件について話すような相手ではなかった。 「トーマス来い」 ゆっくり足を引きずってハウエルの側に寄った…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

12 金属製のドアを突然ノックする音で、彼は跳ね起きた。 自ら戸を開けて戸口に立ったシェリフ・バートンと、背後のハウエル副官が、彼のボンヤリした目に入った。 トーマスは両人を良く知っていた。 彼らとは、よくゲートの前で談笑する仲であった。 だがそ…

閑話休題 「門松」

自粛、家籠り、生活の全てが控えめの正月、極力買い物の外出も避けました。 夫の創意工夫で玄関前に植えられてあった南天をそのまま利用して、竹は近くの竹林から頂き、門松を作ったそうです。 コロナの流行最前線に居る孫達の里帰りもなし、来客もなし、そ…

Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

⒒ 農場は前にも盗難にあい、農具や豚が盗まれた。 そして約4ヶ月ほど前、彼のトラックからショットガンとライフルが盗まれていた。 考えてみると、彼が叫ぶまで犬共は静かだった。 盗賊は農場を良く知る者に違いなく、犬から遠く離れた南側から侵入したもの…