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チャボたちのねぐらには、黄色い三角屋根の小屋が、用意されていましたが、ここがねぐらとして、使われるまでには、少し時間がかかりました。
太陽が、西にまわるころ、人間の眼には、まだ、じゅうぶん明るいのに、彼等には、日没が近いのが解るのか、うろうろと、夜のねぐらを、探しはじめました。
前に住んでいた、鳥小屋が、恋しいのか、それに、似ている物置や、家の、軒下をぐるりと、まわってみます。
次は、庭の中の中位の高さの木を、一本一本探しはじめます。
木の下に来て、背のびをして首をかたむけ、良さそうだな、と思う所には飛びあがってみますが、どうも落ち着かない、と思うのか、すぐ下りて次に向かいます。
そのうちに、足場もしっかりして、二羽並んで止まれて、繁った葉ですっぽりと姿を
隠し、雨もしのげるという格好のヒバの木を探しだしました。
それからは毎日、夕方になるとは、そのヒバの木に飛び上がり、そこをねぐらと決めてしまったようです。
せっかく用意された三角屋根の家がいつまでも使われないので、何とかして、そこに追いこんでみることにしました。 続く