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近くだと思える所に行くとネオンも見えなくなり、迷宮の中に迷い込んだようです。
歩いて歩いてへとへとになった頃、やっと見覚えのある凱旋門が見えてきました。
この凱旋門だけは記憶にあったのです。
その頃、ホテルでは、ガイドをはじめツァーの仲間たちは、彼が行方不明になったので、警察に届けようかと話していました。
その矢先に彼のよれよれになった姿を確認したのです。
彼は何故、楽しいスキーツァーが一変して疲労困憊、遭難寸前のツァーになったのでしょうか。
彼がフラフラになってホテルに帰りついた時、今、まさに捜索願を出そうと衆議一決したチームのメンバーはガイドを含めて8人でした。
その中には、この苦難の状況を作り出した、彼の妻も病院から一時帰宅して一緒に居ました。
チームメンバーの一人がスキーで転倒して骨折、という突然のアクシデントに見舞われた運命共同体の一行は空腹も忘れて彼の帰りを待っていました。
彼の妻が転倒したのはその日スキー場に着いて二回目のリフトに乗り滑走を始めた直後でした。
そこは全くの緩斜面で、本来ならそんな所で転ぶことは有り得ないというような場所でした。
ダイナミックに転ぶのではなく、妻が言うにはカクンと膝が折れたように転んだのだそうです。
立とうとしたら激痛が走り、これはやった!と観念してガイドに連絡してもらいました。 続く