熟年夫婦のインスブルックスキーツアー^

 

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翌日、ガイドは病院に付き添ってくれることになり、彼ら夫婦と共にタクシーで病院に向かいました。

チームのメンバー達は前日と同一行動で、一日中スキーの予定だったので、皆スキー場に向かいました。

旅慣れている人の多いチームなので、ガイドが居なくても大丈夫です。

 最初診てもらった診療所の医師が主治医となり、手術はベッドのある病院に医師が出張して行うそうです。

開業医一人ひとりが手術や入院の設備を整えなくても良いのだそうで、そこが日本とは違うところです。

ガイドが入院、保険の手続きなど、全てやってくれるので、今日は大船に乗った気分で病院内を眺めていました。

その日から妻には医療用の日本語通訳がついてくれて、手術や、入院の説明も、全て理解できて、何の心配もいりませんでした。

明日からはツァーは別の国に移動するので、明日以降はどうなるのか全く分かりませんが、ガイドの指示に従うだけです

 手術が終わり、入院は二日間と決まりました。

医師の説明を受けた後、ガイドが今後どのようにしたいかを聞いてくれました。

ツァーはまだ7日間残っているので、車椅子でならチームと一緒に帰る事も可能なのだそうです。

妻は、やはり皆と一緒に居た方が安心との思いが強く、予定通り皆と一緒に帰ることを選びました。

ただそうなると、先行しているチームと合流するために国際列車に乗って合流場所まで彼ら二人で追いかけなければなりません。

それでは切符を買いに行きましょうとガイドと二人で駅に向かいました。

駅に着き切符を買ったものの果たして言葉も分からない所で、大荷物を持ち、車椅子を押して彼一人で列車に乗れるだろうかと不安がむくむくと頭をもたげてきました。

そんな彼の心が見透かされたように、病院に帰りしばらくすると、保険会社から電話が入りました。

二人だけで列車での移動は大変ではないか、ここからまっすぐに帰国した方が良いのではないか、もし、希望するなら航空券、その他諸々の手続きは保険会社がやります。とのことでした。

彼は大賛成です。幸い妻も賛成してくれました・

それからの事は全て旅行社と保険会社とのビジネス上の手続きだけでした。 続く