ヤンキー老人ホーム体験記

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ここに、月約1400ドル余の約束で、5月2日に入居した。

それでもいざ入居となったら、Community〔共同〕 ナンとかと言う名目の下に、いきなり700ドル追加を請求された。

これはその時一回だけと言われたが、そんな項目は確かホームの案内書には無かった。

 ナンだかスッキリしなかったが、乗りかけた船とばかり、エイッと払って入居した。

入居までの調査・手続きは全部私自身がインターネットを通じて手立てし、毎度のことながら老母の独断の手際の良さに息子共は唖然とする。

 本当にオーケーなんだねと、念を押しつつ2人の息子と孫たち、身長2m近い大男共は、難なく最小限の私の荷物を運び入れてくれた

図体のデカいアメリカの男はこういう時に役に立つ。

 私の不得手な掃除は、一週間一度メイドがしてくれ、3度の食事はダイニングルームで摂れるという、この世の天国のような所だと、ホクホク入居した。

 家財道具の約90パーセントを救世軍に寄付して出て来た私は、途端に部屋に合った家財道具を取り揃えなければならなかった。

いくらホームが食事を作ってくれるとしても、矢張りたまにはご飯と味噌汁も食べたくなるだろう。最低限の調理器具は必要だ。

生涯何十回と引越しを重ねてきた私は、その辺は手慣れたものだ。

早速近所のアメリ傷痍軍人会が仕切る古道具屋に行って、気軽に食器戸棚、調理道具などを買い揃えた。

 しかしある所にはあるものだ。店には物が溢れるように、全てのものが揃い、今まで新しい物を買っていたのが、本当に馬鹿らしくなるような値段で売っている。 続く