創作童話       鳥になったまこちゃん

こんなにまこに優しくしてくれるムクドリさんだって、餌台にくると、先に来て、食べているヒヨドリをギャーといって追い払い、ゆうゆうと自分が食べはじめるのです。

ムクドリに追い払われたヒヨドリは、近くの木にとまって餌台に寄ってくる、スズメやシジュウカラを追い払いながら、いじけた態度で、じっとムクドリの食べ終わるのを待っているのです。

ムクドリは自分より大きな鳥は、追い払うけど、小さなスズメやシジュウカラが来ても追い払わずに、仲良く一緒に食べています。

「僕たちは、きびしい自然の中で、生きていくために、時には、命をかけて、敵と、たたかわなければならないけど、いつもは、力の弱い鳥も、強い鳥も、なわばり、というのを、持っていて、そのなわばりをおかさないように、暮らすのが、鳥達の、決まりなのさ、でも、ヒヨドリのやつは、その、決まりをやぶって、弱いスズメたちを、追い払い、自分一人では、食べきれないほどの、餌を、ひとりじめする、いじきたないやつなので、僕もちょっと、おどかしてやるんだ。

鳥の世界は、強いものも、弱いものも、仲良く鳥らしく、生きていくことが、いちばん、幸せなことだからね」

まこは、野鳥たちの群れから、ヒヨドリを、さがしてみました。

モズや、キジバトツグミたちのなかで、いごこちわるそうに、温泉の中で、水浴びをしている、ヒヨドリを、みつけました。

まこは、そんなヒヨドリが可哀想になりました。

ムクドリさん、こんど家に来るときは、ヒヨドリさんも、インコさんも、たくさん、お友達をつれてきてね。お父さんにたのんで、もっと、たくさん食べ物を、おいてもらうから」

「たくさん、たくさん友達を、つれていくよ」    続く