2021-02-15 Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」 27 その日はアメリカのチームが勝ち、町中歓喜に沸き上がった。 暑さでゲンナリしたキクが夕方遅く帰宅した。 気温は華氏の96度まで上がり、不快指数は110度であった。 暑さばかりでなく日本チームの負けた事がキクの心を沈ませているようであった。 あまり口を利かぬキクの気持ちを察したトーマスは、40年以上もアメリカに住んでいる彼女が、いまだに日本を応援することに、驚いた。 アメリカが勝って良かったと、彼は思った。 だって俺たちはアメリカ人だもの。何はともあれ、俺たちは他の国を応援すべきじゃない。