Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

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その日はアメリカのチームが勝ち、町中歓喜に沸き上がった。

 暑さでゲンナリしたキクが夕方遅く帰宅した。

気温は華氏の96度まで上がり、不快指数は110度であった。

暑さばかりでなく日本チームの負けた事がキクの心を沈ませているようであった。

あまり口を利かぬキクの気持ちを察したトーマスは、40年以上もアメリカに住んでいる彼女が、いまだに日本を応援することに、驚いた。

アメリカが勝って良かったと、彼は思った。

だって俺たちはアメリカ人だもの。何はともあれ、俺たちは他の国を応援すべきじゃない。