ヤンキー老人ホーム体験記

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私と同じ齢の83歳で家族も居ないように見えるトムにどうして金が無いのか不思議に思って聞いて見る。

リタイアー前はprofessor(教授?)だったという彼に金が無いとは。

ずっと前,彼が入居してきて直ぐ、彼は良くメアリーのテーブルに着いたそうだ。

そこで会った弁護士だと言う男と仲が良くなり彼らは良くメアリーの面前で色々な事を喋っていて、それがいつも金の事、女の事であったとの事だ。

メアリーは私と同じで耳が良く聞こえない。それに緑内障で眼もあまり見えない。

彼等の会話が良く聞こえたものと感嘆すると、「ええ、ツンボの早耳と言いますからね」と澄まして答えた。

食堂はいつも沢山の人たちの会話が入り混じりワーンと言う雑音に包まれた感じで面と向かって対話する人の話さへ私には聞き取れない。

メアリーの話は続く。

彼等男たちは金だけが目当てではなく、セックスにも大いに興味があると言う。

どうしてアメリカでも金持ちの部類に属する教授とか、弁護士が、

このような中の下くらいのホームに入って、まだ金が欲しいのか、と興味を持って聞くと、どうも彼らはドラッグをやっているらしいとの事であった。  続く