創作童話   鳥になったまこちゃん

いつも、庭においてある、お母さんの、赤い自転車が、小さなおもちゃの自転車のようです。

お母さんが、ピカピカにみがいたガラスに太陽が、反射して、キラリキラリと輝いて、お家が、ダイヤモンドのように光っています。

お隣りの、おじさんが、いっしょうけんめい、手入れをしている、庭の樹が、黒い模様になって、お家を、ふちどりしています。

田んぼや、りんご畑、赤い屋根のお家、青い屋根のお家が、一枚のパッチワークのように下にひろがっています。

まこは、遠くのほうに、目をやりました。

一本の帯のようなものが、くねくねと折れまがってどこまでも続いています。

「ねえ、タコさん,あれは、川でしょう」

細くなったり、太くなったりしながら広い海に流れ込んでいます。

一本の川にたくさんの橋がかかっています

橋の上には、黒い点々が少しづつ動いているように見えます。

よく見ると、それは自動車でした。

あんなにビュンビュン早く走る、自動車が、まるでカブトムシのようにノロノロ動いています。

まこは、なにもかも、めずらしくて、夢中で下を見おろしていました。

そのとき、バサバサという音が聞こえてきました。