Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

農場は前にも盗難にあい、農具や豚が盗まれた。

そして約4ヶ月ほど前、彼のトラックからショットガンとライフルが盗まれていた。

 考えてみると、彼が叫ぶまで犬共は静かだった。 

盗賊は農場を良く知る者に違いなく、犬から遠く離れた南側から侵入したものであろう。

 トーマスは、懸命に知人や友人の顔を思い浮かべ、泥棒が誰であるかを考えた。

一人の走り方が誰かに似ていると思ったが、すぐその考えを打ち消した。

誰も彼もが疑わしく、それでいて誰一人泥棒だ、とは言い切れなかった。

 諦めた彼は眠ろうとした。時計は4時半を指しており、一番鶏が近くで時を知らせた。

 鎮痛剤があればナと、トーマスは思った。

もしあったとしても、散らかったトレーラー内で探す事はできなかった。

薬がきちんと薬棚にしまわれている、キクのいる家を彼は思い浮かべた。

トーマスは大分長い間、聞き慣れた農場の朝の音を聞いていたような気がしたが、いつのまにか昏睡のような眠りに落ちたものと見える。