Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

12

金属製のドアを突然ノックする音で、彼は跳ね起きた。

自ら戸を開けて戸口に立ったシェリフ・バートンと、背後のハウエル副官が、彼のボンヤリした目に入った。

トーマスは両人を良く知っていた。

彼らとは、よくゲートの前で談笑する仲であった。

だがその日、彼らは笑っていなかった。

痛みを忘れたトーマスはベッドから跳び下り、危うく失神するところであった。

「誰が君たちを呼んだんだい?」一本脚でヨロヨロ立ちながらトーマスが聞いた。

 「ギャルビイ・スミス」 バートンが固い表情で答えた。

 「トーマス・クレイトン、武器をもってギャルビイ・スミスを襲撃した疑いで

   逮捕する」

 「ギャルビイ! そうだった、俺が射った奴は!」 トーマスは息を呑んだ。

 ギャルビイは以前、彼の農場を手伝ったことがある黒人の高校生で、5マイルほど先の小さな家に、祖母と義兄弟とで住んでいた。

トーマスが毎朝、トラックで向かへに行っていたが、時々、まだ寝ていたこともあったので、最近雇っていなかった。

 銃が盗まれた時、トーマスは、そのあり場所を知っていたギャルビイを疑った。

それである日、道端を歩いている彼を見かけたトーマスは、車から跳び下りて、彼の胸ぐらを掴んだ。ギャルビイは勿論盗みを否定した。

 「なんだって?ギャルビイ!」 トーマスがまた叫んだ、

バートンは注意深くトレイラーの中を見回し、ベッドの向こう側に手をのばして銃を取り、銃口を嗅いだ。

 「躓いて、誤って引き金を引いてしまったんだ。」

「彼は家で弟のジョーと猟犬を囲いに入れているところを、怒り狂った君が現れて、射ったと言った」”

 「ウソだ!彼はここにいたんだ。彼ともう一人のニガーが!」

 それは裁判官が決める事だ。レッツ ゴー!