Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

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どうしてギャルビイが農場にいたことが解ったか、トーマスは知りたかったが、へンリイの不機嫌を承知の彼は、聞くのを憚った。

彼らは40マイルの道を沈黙のうちに家に帰った。

  キクは彼らを見ると、家から走り出てきた。

彼女はトーマスに肩を貸して、椅子に座らせ、彼の足を急いでバケツの氷水につけた。

その間、彼女はあまり喋らなかったが、ヘンリイが二階に行った後、トーマスの数多の疑問に答えてくれた。

 彼女が言うには、ギャルビイたちの足跡と血痕を林に見つけたヘンリイは、ブラッド・ハウンド(猟犬)に跡を嗅がせ、グランマの家に辿りついた。

 大げさな絆創膏を張った尻を突き出して寝ていたギャルビイをヘンリイは罵倒し、シェリフに真実を話すか、でなければと、息巻いた。

 ヘンリイはバートンに電話した。

 キクはトーマスが知りたいことを全部話してくれた。 

 「あんたは射撃が下手クソだと、パパが言ってたよ」と、キクが笑った。

「でも、殺さなくて良かった。」

もし転ばなかったら二人とも殺していたところだったと、トーマスは胸をなでおろした。