Mrs Reikoの長編小説  戦争花嫁            

            ウイスコンシン州 2

 

そういうことを予期して頑丈に建てたのであろう、家や風車に被害はなかったが、瑤子は強風の恐ろしさをいつまでも忘れられなかった。

瑤子は四人目の子供を身ごもった。相変わらずつわりに悩み続ける瑤子は、イライラしてアンディや子供たちに当り散らした。

彼は、飲めば流産するかも知れぬ、という、なんとかいうホルモン剤を診療所からもらって来て、瑤子に渡した。

やぶれかぶれの瑤子は深く考えもせずそれを飲んだが、なんの変化も起こらなかった。アメリカではまだ堕胎は重罪であった。

やがて夏も終わり、オハラ一家がコロラドに引き上げる時がきた