Mrs Reikoの短編小説「ジョージアの嵐」

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 母がオリンピック チームの歓迎会員にボランティアすると言った時、ヘンリィは

「止めとけ!」と反対した。

彼は珍しく父親に同調して父子で反対した。 

 キクは、オリンピックの歓迎会員にボランテァするまで、特別に社交的と思われていなかった。

無愛想ではなかったが、家の仕事で忙しかった彼女は、テレビを見ること以外、社交的行事に特別の興味を持たなかった。

家の者たちは、彼女がそれで満足しているものと、思っていた。

彼女がボランテァしたことを知って、彼らは当然驚いた。

 ヘンリイは、コーヒーが欲しい時、彼女が側に居ないかも知れぬと、いうことが、気に入らなかった。

 「ママ、コーヒーをくれ。コーヒー渇で死にそうだ」よく彼は冗談を言った。

そしてキクは文句も言わず、彼にコーヒーを差し出すのであった。

 トーマスは、キクからのランチの差し入れにありつけなくなるかも知れぬので、反対した。

 「是非やりたいの」、キクは断固として言った。

「今度のオリンピックは、丁度100年目の記念でもあるのよ。そしてそれがコロンブスでも行われる、私もその一部に加わりたい」

 ヘンリイは物も言わず立ち上がり、ドアを荒々しく閉めて出て行った。

トーマスは、10マイルも運転して、レストランのホワイト・タワーに行かなきゃならぬかもしれぬと。腹立たしい。

 キクのアクセントやシンタクスは、聞く者によっては、妙に聞こえたかも知れぬが、彼女は、英語を話すことも理解することも、普通以上にできた。

それに、長年コロンブスに住んでいたため、彼女はヤンキー(北部人)より南部の訛りを理解していた。