Mrs Reikoの長編小説  戦争花嫁                            

                             アメリカ上陸 6

彼から電話があった時、そのことを告げ、「本当に驚いたのよ」と言っても、その場に居合わせなかった彼にはピンとこなかったようであった。

アンディは一ヶ月に一度ほど週末に帰ってきていた。

そのうち体の変調に気付いた瑤子は、往診してくれた付近のドクター スミスに、「妊娠だと思うか?」と尋ねられ、コックリ頷いた。

彼女は吐き気と眩暈の悪阻で長いこと悩まされ、その上訪れた春とともに一斉に咲き出した花々にアレルギー反応を起こし、くしゃみと水洟が止まらなかった。