Mrs Reikoの長編小説  戦争花嫁       

              障害児の娘 ジョージア州 3

グリーソン家に三日泊まった後、オハラ一家は彼に教えられた家を借りることにした。

今でいう二LDKで、家の前後に少しばかりの庭があり、アンディは早速手押しの芝刈り機を買って来た。

エミイは二年生、ロバートは幼稚園児になっており、二人とも最寄の学校と幼稚園に歩いて通った。

末のポールは這って歩く年頃になっていたが、おとなしい子で、ある日、キチンの床を這っていた時、立ち上がろうとして、熱いオーヴンのドアに手をかけ、手の平全体が真っ赤になり、 大きな火ぶくれができた。

その時でさえ、ウエーン、”と一度泣いたきり、瑤子が抱き上げて手当てをする間もあまり泣かなかった。

アンディは、フォートべ二ングに新築されたばかりの大きな病院に勤め始めた。

支給される、糊がピンときいた真っ白なユニフォームのたたみ皺を、アイロンで伸ばすことが瑤子の仕事になった。

間もなくアンディは自分の家を買う、と言い出して適当な家を探して歩いた。

不動産屋に案内された、同じ町内の家は値段が安いだけあって、実に粗末なものであったが、家賃を月賦に当て、最後は自分たちの家になるというのが魅力で、アンディはそれを買った。

天井も壁も床も荒々しい板張りで、緑や茶の毒々しいペンキが塗られた家に立って、アンディは、だんだんと手を入れて直していくのだ、と張り切っていた。