帰郷 沖縄 6
一家は那覇から東京に飛び、瑤子の実家に向かった。
看護婦をしている妹の路子に手紙で事情を伝え産婦人科の医者を紹介して貰っていたので、すっかり手はずは整っていた。
アンディと瑤子は早速、路子に紹介された産婦人科にエミイを連れて行った。
一か月休暇を取ったアンディが付き添って病院に泊ることになり、瑤子は毎日家から病院に必要品を届けることにした。
アンディがエミイになんと言い聞かせたのか、瑤子は聞かなかったが、次の日、彼女は抵抗もせず手術を受けた。
アンディは病院の食事を食べながら、お手のものの看護をし、医者や看護婦とも良い関係を保っていた。
瑤子は家に残った日本語の話せない男の子三人の世話と、病院に物を運ぶことで精一杯であった。
五日後、アンディとエミイは無事帰って来た。
病院の払いも済ませ、後はエミイの回復を待つばかりであったが、体の丈夫な彼女の腹部の傷はすぐ回復した。